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自作コンデンサーチューン


【目的】
カーオーディオではコンデンサー(キャパシター)を使用して電源改善を行う手法があります。
エンジンの低回転時はオルタネータの発電量も低く、プラグへの電力は内部抵抗の高いバッテリーによる物になるのですが、コンデンサーで電力を補い改善したいと考えています。
コンデンサーにも質と容量、コストの違いがあります。
HOT稲妻等の市販品のコンデンサーチューンも効果があるとは思うのですが、使用している部品に対して費用が高い事や、コンデンサーの質や容量が低い事、外部の配線の太さに対して内部の配線のあまりの細さが気になったり、LEDなどは不要だと私は感じたので自作し、インプレッサ GDBに装着することにしました。

【コンデンサの利点と欠点】

利点
・スピーカー駆動時には瞬間的に大電流が必要なのですが、バッテリーでは内部抵抗が高いので大放電には向きません。
対して、コンデンサーはバッテリーより内部抵抗が低い物が多いので瞬間的な大放電には向いているので、一時的な電力不足を補おうという考え方です。

・オルタネータノイズの除去する働きがあります。
オルタネータは交流で発電を行うため、整流して直流にしているのですが、その原理上どうしても平滑な直流にはならず電圧が上下する波打った物になります。この為、コンデンサーの特性を利用して平滑にすることでノイズが除去されるようです。
・高周波ノイズを除去する働きがあります。
バッ直やアーシングラインはさまざまな高周波ノイズをアンテナの様に拾ってしまうのを、コンデンサーでノイズを除去することが出来るようです。
ただ、あまり容量の大きなキャパシターでは高周波ノイズを取る効果が無い様です。容量を重視すると充放電の速さが遅くなるのが原因のようです
・低回転時のプラグへの電力供給力が高くなるので、燃費やトルクが向上する可能性があります。
・高回転時もプラグは相当な電力供給が必要になるので、パワーやトルクが向上する可能性があります。
・極寒時はバッテリーの起電力が下がるのでエンジンの始動性が向上する可能性があります。

欠点
・コンデンサーには漏れ電流がある為、バッテリーに直結した場合には微弱ですが電流がたえず流れ続ける事になり、長期間車を走らせないとバッテリーを上げる原因になる場合があります。
・コンデンサーは熱に弱く、熱いところで使用すると寿命が短くなります。
・コンデンサーにもバッテリーと同様に寿命があります。
・充電された状態でショートさせると、バッテリーと同様に希硫酸の噴出や発火の危険性があります。
・コンデンサーは自己発熱するので放熱が必要です。
・コンデンサーは最初の装着時やバッテリー交換時は充電が必要です。充電の仕方は5〜10W程度のランプをバッテリーのマイナス端子と車のアース端子に接続しランプが消えるまでそのまま放置すればOKです。

【準備品】
・コンデンサー:

 ・HELIX CAP33 容量:33000μF 耐圧:30V 許容温度:105度
サイズは35φ×100mmと私が他に用意した物に比べると一番小型。
端子はネジ止めできるので接続しやすい。
ただ、端子間の間隔が狭すぎるのでショート対策を行う必要があります。
横取り付けの場合は防爆弁を上に端子よりも上に、縦取り付けの場合は電極面を上にするのが一般的な常識のようです。
(長時間間違った方向で取り付けていると電解液が漏れ出す危険性があるので注意が必要です)

 ・nichicon Super Through KG(オーディオ機器電源平滑用) 容量:22000μF 耐圧:50V 許容温度:85度
サイズは63φ×80mmとコンデンサー単品にするとかなりデカイ。
端子とラインは半田付けにする予定です。
端子間の間はかなり広いので、通常の絶縁処理で良さそうな感じ。

 ・PHD BMC-1FN 容量:1F 耐圧:20V 許容温度:−
サイズは77φ×255mmと1Fの中では標準的(すこし大き目か?)だが、手にするとあまりに巨大。
横のnichiconのコンデンサーが小さく見えますw
ラインはカバーつきの端子にスクリューで止める方式なので、何もしなくても絶縁性は確保されています。
また、LED電圧計があるので見えるところに置けば楽しそうな感じです(^^)/

・圧着工具
・絶縁用自己融着テープ(ビニールテープでも良いが剥がした時のベタベタが気になるので私は自己融着テープを使用)
・パワーケーブル
 ・バッ直プラス用 4AWG(色:赤系統)
 ・アース用 4AWG(色:黒、シルバー、青系統)
 ・ヘッドユニット バッ直プラス用 8AWG(色:赤系統)
 ・ヘッドユニット アーシング用 8AWG(色:黒、シルバー、青系統)
 長さに関しては、バッテリーから助手席までが大体4mちょっと、助手席からトランクまでが2mちょっとが目安です。
・ヒューズブロック&ヒューズ
・コルゲートチューブ
 ・4AWGのケーブルには10φ
 ・8AWGのケーブルには7φ

【コンデンサーの容量と用途について】

コンデンサーの容量と放電特性には関係があります。
コンデンサーの種類に関しては、様々な種類がありますが、一般的に電解コンデンサを使用する場合が多い様です。

1.1F等の大容量コンデンサーはオーディオのアンプ等の特に周波数が低く長時間大きなエネルギーが必要なウーハーに向いているようです。

2.2200μF〜33000μF程度のコンデンサーはオーディオのヘッドユニット等の1Fの大容量コンデンサーより構造的に内部抵抗を少ない物があるため、周波数が高く短期間に大きな充放電を行う場所が向いているようです。

【コンデンサーの配置場所について】
コンデンサーを効果的に使用する場合は、高い放充電性能を生かす為コンデンサーからのコードの長さが大きく関係してきますので、目的に応じてコンデンサー設置する場所が重要になってきます。

1.ノイズやパワーに関係する場所:
バッテリー横にコンデンサーを配置し、バッテリーに直結
(本来はオルタネータに直結するのが効果的にはベストなんですが、受熱を考えるとバッテリー近くがベターだと判断しました)

2.オーディオの音質に関係する場所:
 ヘッドユニットの近くにコンデンサーを配置し、ヘッドユニットに直結

3.オーディオの音質に関係する場所:
 アンプの近くにコンデンサーを配置し。アンプに直結

【ワイヤリング】
 ・コンデンサーの効果を最大限に引き出すには、バッ直やアーシング等のワイヤリングが重要になります。

【安全対策】
 ・コンデンサーはバッテリーと同様に取り扱いを誤ると、爆発や火災、希硫酸の噴出等のトラブルが発生し大変危険です。
 ・ショート対策にケーブル全てにコルゲートチューブを使用し、プラス極/マイナス極は露出しないように自己融着テープにて絶縁しました
 ・振動対策にきちんとアクリルボードに結束バンドやホルダーにて固定しています
 ・当初、エンジンルームにCAP33を設置する予定でしたが、雨水や水蒸気、高温等の影響を考え、助手席下、トランクに設置しています。
 ・本来はヒューズを使用せずにヘッドユニットにコンデンサーを使用するほうが効率が良いのですが、ヘッド裏は配線がごちゃごちゃしておりショートの可能性を0に出来ないのでヒューズブロックを途中に入れています
 ・コネクターには自己融着テープを使用し固定/絶縁を行っています

【インストール】
2:助手席下にBMC-1FN、CAP33、Super Throughの3つを1つにまとめたキャパシターブロックを設置(12/13)

3:トランク内にPHDキャパシターを設置(11/21)

【インプレ】
1:助手席足元にHELIXキャパシターを仮設置(11/11)
ヘッドユニットにHELIXのキャパシター(CAP 33)をオーディオのヘッド兼アンプのバッテリーから引いている電源のラインに割り込ませました。
音全体に張りを感じるし、高音がより強くなった様に思える。
欠点は少し高温が強調されてしまった様で、ツィーターが勝った状態になっています。
対策については、今後ウーハーを現在のチューンナップウーハーからまともなウーハーやまともな外付けアンプにリプレースするので、バランスが取れると考えています。
アーシングや専用の電源用ラインを引いた時よりも違いが大きく感じます。

走りに関しては、今回はオーディオ用に取り付けたのでほとんど違いは無いはずなのですが、微妙にクラッチを繋いだ時のトルクがアップしているような気がします...
あと、若干燃費計の値が良くなっているような...
今まで頑張って7.5Km/Lの平均燃費が、コンデンサーを取り付けてからは8.8Km/Lぐらいになっているような...
これから行おうとしている、オルタネータ/バッテリー横にコンデンサーを付ける効果が既に出ている気もちょっとしています(^^;) 2:助手席下にキャパシターブロックを設置(12/13)
バッテリーより4AWGのケーブルを助手席下まで引き込み、BMC-1FN、CAP33、SuperThroughを1つにまとめたキャパシターブロックを設置しました。

音質に関しては、全体的に元気になったというか、全体的に更に歯切れが良くなったと感じます。
コンデンサーの個数個分ヒューズを使用した安全性重視で、使いまわしが簡単に出来るようにパッケージングした為、ヘッドユニットから距離が離れてしまったため、効率が悪くなっていることは自分でも認識しています。

3:トランク内にPHDキャパシターを設置(11/21現在)
ウーハー用アンプにバッ直のワイヤリングを行いPHDのキャパシター(BMC-1FN)を接続しました。
ウーハーが強化されると音全体のイメージまで変わり全くの別物で良い感じです(^^)/
電圧計が良い感じです。(走っているときは見えませんがw)

走りに関しては、トルクが更に微妙にアップしたのか、今までなら慎重にアクセルを踏んでもノッキングを起こして加速しなかった場面でも、ノッキングせずに加速できるようになった気がします...
燃費に関してはまたご報告いたします。

【あとがき】
キャパシター/コンデンサーの漏れ電流の弊害対策にディープサイクル対応のドライバッテリー(Orbital ORB34XCD)を使用しました。
またこのバッテリーは大電流の充放電にも対応しているのでキャパシターの欠点を全て解消できると期待しています。

(04/12/27:現在)
現在の所、不具合やデメリットは感じていません
ヘッドユニットでの電圧が以前は14.7V〜14.0V間で変動していたのですが、現在は若干の変動はありますが、ほとんど13.8Vで安定しています
燃費に関しては、エンジンレスポンスが全体的に向上しており、気持ちよく加速するため計測が難しくなっています
加速力が上がっているので、市街地の燃費は現在0.5Km/L程度しか向上していませんが、巡航時の瞬間燃費の値が3Km/L以上向上しているので、高速道路で遠距離まで走ればいい記録が取れると思います

ウーハー用に使用しているデカイアンプ(270W×2 サイズ:L=460 W=205 H=60)がかなり電気を食っている様子。カタログスペックでも無信号時で2.42Aも食うし、最大135Aと凄い!音は非常に気に入っているのだが(^^;)
コイツを切ると燃費が平均1Km/h以上良くなるので、燃費を取るか、音質を取るかが悩みどころだw

2006/01/29更新分
スバル用品からもホットイナズマという商品(OEM)が出ているので、コンデンサの効果に関してはメーカー側も重要性を認識している様子です。

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